こんにちは。先日、こんな記事を見かけました。
急増するキラキラ起業女子、大半は経済困窮…SNSで必死に「華やか&リッチライフ」自己演出
http://biz-journal.jp/2017/06/post_19404.html
<>キラキラ起業女子の正体は“火の車自営業女子”
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<>キラキラ起業女子は本の出版がゴール?
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キラキラ起業女子とは…より魅力的な女性になるために、仕事も恋愛もファッションもメイクも、そのすべてにおいて手を抜かない、意識高い系女子。それを武器に起業した女性のことを『キラキラ起業女子』と言っているらしい。
内容を簡潔にまとめると、
①SNSでリッチライフを謳歌している『キラキラ企業女子』の大半は経済的に困窮している『火の車営業女子』。
②美容コンサルタントや心理学コンサルタント、起業支援といった領域が多い。
③シンプルなビジネスモデルだから参入障壁が少なく、誰でもできる。
④資金集めや商品開発、人材育成など、一般の起業家が持つような悩みとは無縁。
⑤自営業と言っても、副業の枠を出ず、成功している人は少ない。
⑥客の目的の大部分は、『商品』ではなくキラキラコミュニティに入ること。
⑦マルチ商法の可能性は低い。なぜならマルチのビジネス構造は複雑。起業女子のHPを見る限りそこまで緻密な価格計算などしていない。
⑧このような女性達は『自費出版の本を出せたらゴール。』が共通の認識。
そして、記事の最後の文章はこちら‥
“SNSの普及によって増殖するキラキラ起業女子たち。もはや、どこに成功の基準があるのかもよくわからないが、キラキラコミュニティ以外の人に迷惑が及ばないのであれば、彼女たちのキラキラ演出を生暖かく見守っていきたい。”
はっきり言わせてもらいます。
この記事、悪意の塊ですよ。完全にそういう女性のことを小馬鹿にしていますよね。筆者の方はもちろんですが、こんな記事を掲載してしまう媒体に不信感を持ってしまいます。
この記事、まず…
なんで『女性』のみを対象に話をしているんですか?
この記事の内容、的を得ている部分は多いと思うのですが、これ、
そっくりそのまま男性にも当てはまりませんか?
リッチライフを演出して、セミナーなどが主な収益、という男性、SNS上でたくさん見かけるのは私だけ?私は、リッチライフの象徴の川島和正さんとも親交がありますが(彼は紛れもなく収益を上げていますが)、彼らの集まりに参加しても、このようなSNSを使ってセミナーなどをするようなビジネス起業の方々、圧倒的に男性が多いですよ?
キラキラ起業女子が美容コンサルなら心理コンサルなら、キラキラ起業男子は、不動産や投資コンサルとか集客コンサルをよく見かけます。
ちなみに、女性起業家と男性起業家の割合について、2013年度新規開業実態調査 日本政策金融公庫によると、女性はたったの15%。85%は男性です。この方が話している規模の起業(副業の域を脱しない起業)の分野はデータがとりにくいとは思いますが、男女比で、女性がその数を上回るとは、私は到底思えません。つまり、キラキラ起業女子より、同じような境遇のキラキラ起業男子のほうが多いのです。
それでも女性に絞って記事を書いているのは『女性』を題材にするとキャッチー(=ウケる)だからという筆者の思惑が透けて見えてしまいます。このような『女性の下げ方』(今風に言うとdisり方)は「男性にウケが抜群」という風土が日本にはあるように思います。

次に、『キラキラ起業』なんで悪いんですか?
どうして参入障壁の少ない分野で起業して(副業でもいいですよ)、火の車で営業して、それの、何が悪いんですか?どんな会社経営でも苦しい時はあります。私も、起業して6年。苦しい時もありました。でも、そうやって経済活動に参加することは、悪いことなのですか?
セミナーが商品であれ、なんであれ、顧客が満足しているなら、立派な商売です。今の日本は、労働力となっていない(社会進出をしていない)いわゆる専業主婦の女性もまだまだ多く、少子化、労働力の低下が問題視されている中、
どんな形であれ、自分の得意な分野で起業をしてみようと女性たちが思うことの、何がいけないのでしょう?
むしろ、それは社会として応援していかなくてはならないのではないでしょうか?私の知っている限り、女性の多くは「他者への貢献欲求」が高く、カスタマーに満足してもらえる商品やサービスを、一生懸命考えている人が多いです。そして、ワークライフバランスを考えて小さな規模で起業する人も多いです。
どのような形であれ、今、自分の境遇でできる範囲で、社会とつながろうとしている女性たちがこの記事を読んで、どう思うのでしょう?女性蔑視(そこまで言うと話を誇張しているかもしれませんが)につながりかねない表現で、記事の拡散を狙うより、もっと大きな視野でこのような分野への意見を述べてほしいです。
クルミさんのご意見↓
ママ起業・趣味起業・副業的なものをしたいといった起業女性は増えています。それを「ゆるい」とおっしゃる方も多いのかもしれませんね。でもそんな考えはもう古い。「女性も男性と平等」「女性がもっと働きやすいように」と女性の社会進出、働くことを世の中全体で推奨しておいて、一生懸命働いて得た収入で女性がキラキラと輝き出すと「痛い」と騒ぎ出す。ついには、それを武器に起業し始めた女性を鼻で笑って叩くって…。なんだか器の小さな話です。器の大きな方ならば、そんな女性たちのパワーを次のステージへと導くような応援をしてあげてほしいものです。
あと、最後に。
なんでもかんでも『女子』ってつけるの、もうやめません?笑

Photo : Kurumi / Writer : Erina