LOFTバレンタイン広告炎上事件

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ロフト広告事件のあらまし

①ロフトが、女性5人組が仲よさそうだが、実は不仲だというオチの広告を展開。

②この広告に「女性を蔑視している」とSNS中心に批判殺到。



ロフト側が、広告を全面取り下げることを決定。

②それに対し、「何も取り下げなくても…」という意見が出てさらにロフトへの不信感や、
「それぐらいのことで騒ぎすぎ」という意見など物議をかもしている。

ざっと説明すると、こんな感じのことが起こりました。

 

どんな広告?

これが、話題の広告↓

「女の子って楽しい」がコンセプトで「女子だけって落ち着く~」「FOREVER FRIENDS」とのコピーですが、
女性たちの後ろ姿が映し出される場面では、お互いが髪や服をひっぱっています。

「仲よさそうに見えて、実は仲が悪い」

というのが本当のコンセプトの広告でした。

 

なぜこれほど女性の反感を買ったか

なぜこの広告がこれほどまでに女性から嫌がられたか。
私には、なんとなく理由がわかります。

女性たちは、今まで何度も

「本当は女同士は仲悪いんでしょ~?」と、
いわれもなく疑われ続けてきた経験があるのではないでしょうか。

「●●ちゃんと●●ちゃんて本当は仲悪いでしょ?」
「●●ちゃんて、●●ちゃんのこと、本当は嫌いなんじゃないの~?」

こういうセリフを言われた経験がある女性は少なくないと思うのです。

女性同士は本当に仲が悪いのか?

これ、答えは一つ。
仲悪い人もいれば、仲いい人もいます。

私の主観ですが、男性だって、「俺のほうが強い」とか「俺のほうが女にもてる」とか謎の理由でマウントを取り合ってるシーン、よく見ます。
仲たがいしてる人もたくさんいらっしゃいますよね。

でも世間的には、
男性同士よりも
「女性同士は本当は仲が悪い説」が喜ばれている風潮
があるのは確かです。

 

うんざりした経験が炎上につながった

女性が経験したことある「本当は仲悪いんでしょ~」という意見への『うんざり感』が、今回の広告の炎上につながったように思います。

「女性蔑視」と炎上した背景は、
女性に対するステレオタイプのマイナス意見が反映されていたから、でしょう。

男って、馬鹿ばっかり。
と言われて男性が嬉しいわけないですよね。

男性へのステレオタイプのマイナス意見で分かりやすくすると、

「男って(結局)バカだから。」とか
極端な例だけど「男って年取ったらハゲるから」
みたいな。(男性の皆さんゴメンナサイ💦)

こういうことだと思います。。
たぶん、男性、少なからず嫌な思いがすると思います。
こんな広告出されたら。

 

「時代錯誤」は、広告では命とり

ロフト側は、「多様な価値観にもとづくお客様の意識へ配慮を欠いたことは深く反省している」と謝罪したが、まさにその通り。

性差よりも個体差のこうが大きいという当たり前という考えが主体の時代
「個」を尊重する時代。
性差に対するステレオタイプのマイナス意見を大企業がだすというのは、まさに時代錯誤ですよね。

 

この広告が「悪い広告」と断言できる一番の理由

この広告で、女性は、チョコレートを買いにロフトに来ない。

そう思いませんか?
この時点で、この広告は効果がない「悪い広告」です。

ロフトが広告効果で期待するのは販売促進。
つまりチョコレートを(特に若年層の女性に)買ってもらいたい

でも、そこに、この広告はつながらないから悪い広告なのです。

 

広告で大切なのは「ターゲットの気持ちに寄り添うこと」

この広告は、作り手がターゲットの気持ちを推察できず作っているところが問題なのです。

ロフト側は、「楽しい女の子にみられる、茶目っ気やユーモアさを表現しました」と発表しているけれど、
このアイデアに賛同するとすれば、女性ではなく、主に男性、じゃないでしょうか?

 

「女同士は、本当は仲が悪い」に共感するのは、主に男性だ

なぜこれほどまでに「女同士は、本当は仲が悪い説」を男性は口にするのだろう?

というのは私にとって興味深い議題の一つです。
一時期いろいろ調べていたことがあります。

一説には、生物学的に女性同士で子供を産むことはできても男性同士で子供を産むことはできないという背景から
女性同士が仲がいいことが男性にとって本能的に恐怖心を覚える、という文献も目にしたことがある。

この説がどこまで本当かどうかはわからないけれど男性が女性に対して「本当は仲が悪い」ことを望んでいそう、というのは、直感的にあります。

この広告で共感を得るのは、男性。

なので、この広告が男性向けの何かであれば、まだ機能したかもしれないけれど、
女性の共感は呼べない。
誰だって、自分のこと悪く言われたら嫌ですよね、そもそも。

 

風刺アートではなく「広告」である意味

毒のある広告がいい、という意見もあるけれど、
風刺アートならまだしも、広告というのは、「目的」があるものなのです。

今回の広告のクリエイターは女性。
もちろん悪意はなく、女性のステレオタイプなイメージをポップなトーンで表現しているあたり、
個人的には腹が立ったりしないのですが、広告としてはNGだろうな、と思います。

販売促進につながらなければ、毒があって目立っても、小売店の広告としてはダメ、なのです。

広告で一番大切な「ターゲットの気持ちに寄り添う」ことができてないこの広告は、「悪い広告」ですね。

私も広告業に携わる人間として、襟元ただす気持ちでターゲットに寄り添う推察力を大切にしたいと思います。